まいど、いまにしです。

1月31日、政府は東京高検の黒川弘務検事長が2月8日の誕生日をもって
定年で退職となるにもかかわらず、現在の職にとどまらせる「定年延長」する
ことを、閣議決定した。
黒川氏は、8月7日まで半年間、東京高検検事長の職にあたるという。

報道によれば、昨年12月に海外逃亡した、カルロスゴーン被告の対応に
あたるそうだ。だが、ゴーン被告に逃亡されたのは、検察の重大な失態。
ゴーン被告が映画のような、逃亡劇で日本から去っていったが、実際は
検察がどんくさいから、逃亡されただけ。
ゴーン被告の事件は、東京地検特捜部が担当。東京地検で辞職などの責任を
とらねばならない。
そうなれば、上級庁、東京高検検事長えだる黒川氏も退任しなければならない。
現職検事に聞くと
「ゴーン被告が逃亡で必死になっていたのは、東京地検です。
東京高検は報告を待つだけです。なんもしてませんよ。
東京地検がダメなのは事実。なら、指揮する東京高検も悪いが、
なんら責任をとっていない。
黒川氏は、
ゴーン被告逃亡の責任もとらず、
今更何をするのでしょうかね。
この人事で喜んでいるのは黒川氏と森法務大臣くらいでしょう。
あとの検察の人間、全員、反発だと思いますね」

黒川氏はこれまで、甘利明氏の「UR問題」など、数々の疑惑を
穏便に抑えてきたことで、安倍政権と太いパイプを築いてきた
とみられている。
「官邸の門番」
とも揶揄されている。
だが、黒川氏が定年退職した後は、名古屋高検の林真琴検事長が
東京高検検事長となり、稲田氏が退職後は検事総長というレールが
検察内では内定していた。
「検事総長は、内閣が任命する。だが、法務・検察の独立性担保から、
あがってきた人事案に口出しすることはない。そこに、黒川氏定年延長と
やったのは、
口出しどころかケンカをふっかけたことになる。指揮権発動と同じだ」
と検事長を経験した弁護士。

官邸がここまで乗り出すとなれば、稲田氏も窮地だ。
しかし、黒川氏が絶対に検事総長になれるのかといえば、
絶対ではない。なぜか?

その1
安倍政権が倒れれば、安倍首相、菅官房長官という後ろ盾がいなくなり、
黒川氏は退任するしかない。

その2
稲田氏は今年8月14日の誕生日で64歳。検事総長の定年は65歳なので
もう来年8月までは検事総長が続けられる。黒川氏の定年を再度延長しても
再延長しても、法律では来年2月7日までしかできない。
つまり、稲田氏が「定年までやる」と頑張れば、黒川氏はなれない。

その3
稲田氏がIR疑惑だけでなく、菅原一秀衆院議員、河井案里参院議員などの
公選法違反事件をバンバンやる。他の政界案件の事件も次々に立件。
検察の本来の立ち位置、姿を見せつければ国民の信頼は絶大となる。
世論が、稲田氏を支持するのは明らか。官邸も稲田氏に
「黒川に検事総長をさせるから、やめろ」
とは言えなくなる。

安倍政権に尽くし、その論功行賞のようにご褒美が検事総長という
のは、あってはならない。
稲田氏に国民の後押しがあれば、黒川氏は消えざるを得ないのだ。
検察の最大の使命は法と証拠に基づく「正義の実践」である。
「官邸の門番」にその使命が果たせるわけがない。

稲田さん、頑張れ!
稲田さん、辞めるな!