平成最後に山口組新報が、このほど発刊された。
巻頭で、六代目山口組、司忍組長は
「平成の時代を回顧、回想し新しい時代へ向けて我々斯界にあるものはどうあるべきか、全国各地で汗を流している若者たち、獄中でも意気軒昴を貫く組員たちに私から一言挨拶申し上げたい。皆も承知の通り今年は今上天皇の御攘夷により、この国は御代替わりを迎える。新たに迎える時代は、どのような様相を呈するのか……。我々もまた、時代の画期にどう向き合うべきかを自問自答してみる必要がある」
そして、平成の元号になってヤクザ世界で大きな変化があった。
それが、暴対法だ。司組長はそれに触れて
「暴排条例に代表される権力の暴政に耐え抜いた時代であったのではないか」「ヤクザは居てはならない存在として、その排除と抹殺を狙ったものであった」「存在そのものを『罪』と断定したのである」
として、こう書いている。
「私は権力のこの無謀な企てがすでに失敗したのではないかと思っている」「我々は抹殺されず今もこうして任侠道を歩んでいる」
と見解を述べている。
かつて、司組長の代理人だった弁護士は、その性格を「博学多才」「勉強家」と語っていた。
その一端を垣間見るのが、次の章だ。
「記憶に新しいところでは、国民全体に奉仕すべき公僕のキャリア官僚が自らの保身を優先し、国民の財産ともいうべき公文書を改竄した。こういう不正を強いられ責任を感じた末端の公務員は自死に追い込まれた」
森友学園疑惑で、公文書改ざんを余儀なくされ、自殺に追い込まれた、近畿財務局にいた
財務省の官僚ととりまく幹部や安倍政権のことを、問題視しているのだ。
そして、こう続けている。
「強い者とそれになびく者だけを守ろうとしている」「その結果としての公文書改竄であった」
安倍“1強”政権の批判を展開し、
「決して奢ることなく謙虚に」
と綴っている。